耳鼻咽喉科一般外来における当院ならではの特徴
- 1)乳幼児聴覚スクリーニング
- 新生児期に産院において聴覚スクリーニング施行が浸透してきました。
難聴児の早期発見によって、然るべき教育を受けさせることで、その後の児のQOL(Quality Of Life)が大きく変わります。ただし、脳の可塑性の高い時期の適切な処置が必要です。
当院では産院でスクリーニングが行われなかった方、万が一難聴が発見された方へのアドバイスなど行っています。
- 2)めまい専門外来
- 耳鼻科特有のめまい(良性発作性頭位めまい症、メニエール病、前庭神経炎、内耳性めまい等)の他、偏頭痛の付随症状としてのめまい、起立性血圧調節障害、骨格筋の筋力低下によるふらつき等、患者さん個々の病態を検査により把握し、治療とアドバイスを行っています。検査機器は総合病院並みにそろっています。また日本めまい平衡神経学会認定専門医および相談医が診察にあたっています。
- 3)スギ花粉症に対する舌下免疫療法
- 2014年よりスギ花粉症に対する根本治療として、舌下免疫療法が認可されました。
当院ではそれまで、皮下注射による免疫療法を行ってきましたが、患者さんにとっては注射の痛みも無く、家庭で継続投与できるというメリットがあります。
ただし、希望者全員に施行できるものではなく、施行者全員に必ずしも有効であるわけでもないのです。しかも2~3年の継続投与が必要です。
- 4)幼小児の滲出性中耳炎
- 長引く滲出性中耳炎のため、鼓膜切開を繰り返し、チュービングを勧められるケースでよく相談を受けます。このような症例でも丹念に鼻副鼻腔炎の治療を続けることでチュービングを回避できるケースが少なくありません。
- 5)補聴器相談
- 年寄り臭くて嫌、と言う方もいらっしゃいますが、昨今の補聴器は性能も美的にも良いものが出ています。周りの方々とのコミニュケーションをうまく取っていくためにも進んで利用していただきたいツールです。まだまだ高価なものなので、無駄にしないためにも購入前にアドバイスを差し上げたいと思います。
- 6)嗄声・むせ・咽喉頭異物感
- 副鼻腔からの後鼻漏や逆流性食道炎による胃酸過多が原因として多いようですが、老化による筋力低下や時に悪性腫瘍が隠れていることもあります。喉頭ファイバーによる検査が必要です。
- 7)心因性難聴
- ストレスやトラブルから自分は難聴であると思いこんだり、あるいは聞こえないほうが都合が良いという深層心理から難聴と思いこむことを心因性難聴といいます。小中学生が学校での教師や友人との関わりや家庭での親との関わりに不具合を生じ、発症することが多いようです。
ABR(聴性脳幹反応)検査により判明します。
- 8)甲状腺疾患
- 血液検査およびエコー検査で非侵襲的に診断します。
- 9)慢性咳嗽
- 副鼻腔炎による後鼻漏で咳が長引く場合、副鼻腔気管支症候群の可能性があります。
喘息の可能性を呼気中NO値測定で探りながら治療していきます。